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時を重ねるなかで、常に変貌するオフィス環境。一般にオフィスワーカーが一日のうち3分の1から半分の時間を過ごすオフィス空間は、今こうしている間にも確実に進化を遂げています。高度化する現代のオフィス事情を、さまざまな角度で紹介します。
Vol.1 オフィスは会社を映す“鏡”?
ここ数年、東京では丸の内や六本木、汐留地区などで巨大な施設が続々と建設されています。今年オープンした東京ミッドタウンや新丸の内ビルディングなども、東京の新しい名所として多くの方が脚を運んだのではないでしょうか。こうしたビルには、高級ブランドショップやレストラン街、美術館、映画館などのアミューズメント空間など楽しい施設がたくさんありますね。なかには庶民が簡単に手を出せないような、高級品もたくさんありますが……。
ところで、このような新名所には多くのオフィスビルが隣接しているのをご存知ですか? 実はこうしたビルに入居しているオフィスは、外国映画に出てくるワンシーンのようにとてもきれいで、最先端の設備を備えた会社も多いのです。「ただの働くための場所」だと侮るなかれ、オフィスは今、社員が“生活する場所”にもなりつつあるのです。なぜでしょうか。
また1990年代からの不況で、多くの企業が構造改革の一環としてやむなくリストラに踏みきりました。その結果オフィスワーカーが減少し、これまで抱えていた仕事量以上のハードワークをこなすことになりました。相対的に増えているワーカーの残業量や、近年社会問題化しているオフィスワーカーの鬱病・ストレスなどもこうしたことに起因しているのかもしれません。
そこで企業や組織はCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)を推し進めて信頼性をアピールしているわけですが、別の見方をすればオフィス環境もCSRのひとつではないでしょうか。なぜなら信頼できる製品やサービスを提供する発信源がワーカーであり、彼らがそれを生み出す場所こそがオフィスなのですから。
“人”を中心としたオフィス――生産性を考慮したとしても、それは素晴らしい環境であることが求められます。企業経営者の方や総務担当の方だけでなく、あらゆるワーカーがオフィスを考えていくべきなのではないでしょうか。
ところで、このような新名所には多くのオフィスビルが隣接しているのをご存知ですか? 実はこうしたビルに入居しているオフィスは、外国映画に出てくるワンシーンのようにとてもきれいで、最先端の設備を備えた会社も多いのです。「ただの働くための場所」だと侮るなかれ、オフィスは今、社員が“生活する場所”にもなりつつあるのです。なぜでしょうか。
【同じ働くのなら、快適な方がいい】
近年のネットワークの進展で、オフィスワーカーは「いつでも、どこでも」働くことが理論的には可能となりました。これにより企業の市場が日本国内にとどまらず、世界を相手にしたグローバル競争の必然性が生まれてきたのです。すると日本時間の9時〜17時といった勤務体系で、日本のワーカーが休んでいる間にライバルの海外企業が画期的なビジネスを展開し、先を越される危険性も出てきました。つまり一日24時間、365日で仕事のことを考えている必要がありますが、さすがにこれでは心身ともに疲れてしまいますよね。 また1990年代からの不況で、多くの企業が構造改革の一環としてやむなくリストラに踏みきりました。その結果オフィスワーカーが減少し、これまで抱えていた仕事量以上のハードワークをこなすことになりました。相対的に増えているワーカーの残業量や、近年社会問題化しているオフィスワーカーの鬱病・ストレスなどもこうしたことに起因しているのかもしれません。
企業とワーカーが、仕事を通じてどのような関係にあるべきなのかは意見が分かれるところですが、こうした背景から企業はオフィス環境を見直し、ワーカーが快適に働けるような空間を設えようとしています。よってオフィスはこれまでワーカーが働くために漠然と与えられていた空間から、ワーカーが働きやすく、快適に働けるような環境へと変化を遂げていると言えましょう。ワーカーや顧客を含め、企業経営者が彼らと人として対等に向き合った結晶が、それぞれのオフィス環境になってきています。その具体的な形として浸透しつつあるひとつの切り口が、ワーカーが快適に思えるシーン、すなわち日常の生活空間であり、それに近い空間をオフィスに投影しているのです。同じ働くにしても、雑然としたオフィスより人間らしい暮らしができるオフィスの方が、仕事もやる気が出ると思いませんか? つまりはそういうことなのです。ちなみに、同じような流れで来訪される“お客さま”に対する空間としての考えも変化していますし、社会人となる新卒の学生が、企業を選ぶときにオフィス環境の良し悪しを基準とする傾向もあるようです。
いずれにしても、これらに共通するのは『人』のことを考えた結果であると言えましょう。大量に作って、大量に売ればよい――かつて当然とされていた企業の経営は、明らかに変わってきています。その原動力が『人』ということに、企業経営者が気づき始めました。個人のワガママは問題ですが、皆さんも自分が働くオフィスをよく観察してみてください。きっとそこには、社長が皆さんに対してどうして欲しいのかというメッセージが込められているのではないでしょうか。オフィス空間は、その会社を映す鏡なのです。
【オフィスは企業の責任を生む場所】
こうしたオフィス環境の変化ですが、社会全体に“人”としてあるべき環境が作られつつあることも後押ししているように思われます。なぜなら最近は企業の不祥事が数多く話題となりますが、それはほとんどが何らかの形で人に悪い影響を与えているからです。製品事故、サービスの不徹底、個人情報の流出など、すべてそうですよね。そこで企業や組織はCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)を推し進めて信頼性をアピールしているわけですが、別の見方をすればオフィス環境もCSRのひとつではないでしょうか。なぜなら信頼できる製品やサービスを提供する発信源がワーカーであり、彼らがそれを生み出す場所こそがオフィスなのですから。
“人”を中心としたオフィス――生産性を考慮したとしても、それは素晴らしい環境であることが求められます。企業経営者の方や総務担当の方だけでなく、あらゆるワーカーがオフィスを考えていくべきなのではないでしょうか。